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歯ブラシとゾウを融合させる番組に夢中になっていたせいで、
水着に着替えこそしたものの水泳の授業をさぼってしまったぼくは
 「足を四本にして、その全てにローラースケートを履いて
ぜんぶのヒザにドリルとカッターナイフをつけてぐるぐる回れば
近接戦では最強なんじゃないか?」
と思いつく。

さっそく足を二本買い足しに行こうとホームセンターへ出かけるが、
途中、空でヘリコプターが花火を打ち上げているのを目撃。
花火と思ったものはじつは花札爆弾で、大量の花札が勢いよく落ちてくる。
うち一枚が頭に当たって倒れるぼく。血のついた花札を拾い上げ、

 「“菊に杯”か・・・。」

とつぶやき大の字に寝転がる。



・・・というところで目が覚めました。おはようございます。

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……博士はなんの研究をしている博士なんですか?
とぼくは問う。

「うむ。いい着眼点だね。これを見なさい。」

博士はそう言って、窓にかかったブラインドをカラカラと巻き上げた。
部屋に夕日が差し込む。窓の外には、大通りが見える。
それとぼくの顔を交互に見ながら、博士は続けた。

「なにか気付いたことはないかな?」

……車通りがそこそこ多いですね。この時間帯だからでしょうか。
みんなきっと、家へ帰るところなんだ。
……あっ、博士がしているのは、もしかしてこういう交通事情の研究ですか?
それか、そこからわかる人間心理がどうのこうの……とか。

「惜しい。惜しいね。実に惜しい。だが、着眼点は間違っていない。」

博士は両腕を真上に突き上げながらスクワットをするという
オーバーリアクションを取り、ぼくをほめたたえた。
そして、そのまま黒板の前まで移動すると、何か書きはじめた。

「私が研究しているのはね、これだよ。着眼マスターのMuggy君。」

大きな丸が二つと、それをつなぐ無数の線。
ええと……メガネの研究ですか?
何か分からなかったぼくは恐る恐る聞いてみる。
言ってから、窓の外の景色とメガネはぜんぜん関係ないな、と気付く。

「着眼点こそ悪くは無いが違う。これは自転車だ。
 私が研究しているのはね、自転車の交通量だよ。
 ふたたび窓の外に着眼しなさい。」

言われるがままに窓の外を見ると、確かに、しばらく見ていると
車ほどの頻度ではではないものの、時折、眼前を自転車が横切っていく。

「私はこれをカウントしているのだ。しかも、
 右から来るものと、左から来るものと、別々に集計をしている。」

……はぁ

「なんのことかわからないという顔をしているね?Muggy君。
 だが、着眼点は優れているぞ。」

ぼくが何か言おうとする前に、博士はテーブルの上のミニ扇風機を一つ手に取り、
電源を入れると、床に並んだ水槽のひとつに浮かべた。
ぼくもあわてて、ポケットからスーパーボールを取りだし、そこへ放り込んだ。

「こういった調査は、一日とか二日とか続けたくらいでは意味がない。
 日によって誤差があるからな。しばらく続けて、それを収束させるのだ」

……なんの話でしたっけ?

「自転車だ。私は一カ月のあいだ、朝から晩までこの調査をつづけた結果、
 平均右から160、左から172の自転車が走っていったことがわかったのだ」

……左からの方が多いですね。何故でしょう?
一日あたり12人、一か月なら31倍で372……。
それほど多くの人が、右に行ったきり帰ってこないということでしょうか。
右にはなにがあるのでしょう?

「きみの正確無比な着眼点には感嘆するよ。君の瞳はスナイパーと呼んでも良い。
 だがぜんぜん違う。てんで的外れだ。スナイパーが聞いてあきれる。」

「172人のうち12人が、行きと帰りで違うルートを通っているというだけの話だ。
 それか、行った先で一泊したりしているかもしれないし、私の数え間違えという
 だけかもしれない。行方不明なんてわけがあるか。」

……う、確かにその通りです。ごめんなさい。
確かにその通りですね。ぼくがおかしなことを言っていました。
そうですよね。毎月372人ずつも行方不明になっていたら、大騒ぎですよね……

「ああ。その通りだ。その着眼をこれからも磨きなさい。
で、私の研究しているのは、なんかそんな感じのやつとかそういうのだ。
わかったかね。」

博士はそう言ってテレビをつけた。

自転車に乗った人が毎月372人ずつ行方不明になる怪現象のおこる町について、
緊急特番が組まれていた。この現象が起こり始めてから10年。
行方不明は累計で4,382人になるという。

いい着眼点だ、とつぶやき、博士はテレビを消した。

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「お前っ、そんなっ、これ、
地中海の底にこんな、シマリスばっかりいたわけないだろ!!」

―謎の化石売りが売っている「地中海の底の地層」にケチをつける一般客
 (昨夜見た夢より引用)

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はじめまして、Muggyといいます。
趣味は、新聞や雑誌の写真から、目の部分だけ切り抜いて集めることです。
好きな食べ物はズボンです。

こんばんは。




@感想とか

今週の「白馬泥棒編」の感想です。
ネタバレには気をつけていますが、未見の方は閲覧注意。


---


悪いわけじゃないんですけれど、
これまでの話と比較しちゃうとずいぶん毛色が違ったこともあり、
ちょっと「ん?」という感じがしました。
蜃気楼とクラゲ編も、人形サーカス編も非常に面白かったし、
それ自体がひとつのストーリーとしてコンパクトに完結している点で、
あぁ良かったね、とすんなり次の話に行ける感じが好きだったので……。

今回のは、今後の展開のための伏線を撒くための話、という印象を
どうしてもうけてしまいました。
ゲストの二人の馬主の心理描写みたいなものにばかり焦点があてられていて、
主役メンバーがただの引き立て役になってしまっていて、
行動原理もすごく単純になってしまっていたのが残念でした。
鳴海さんはあそこだったら、馬主両方ともに良い顔をしつつ、うまく出し抜いて
白馬を自分のものにしようって企むタイプだと思うのですが……。
あんまり素直に全面協力してたので拍子抜けしました。

良かった点としては、単純に馬がかわいかったのと、
たびたび出てきたあの缶詰が、やたらおいしそうでした。
いっぱいもらってたけど、あれ伏線じゃないよね?

来週の凶運スカラベ編からは、また今まで通りの展開に戻るみたいですけれど、
今週の展開を一旦全放置して行くんだったらそれはそれで嫌だなあという気持ちもあります。
世界観もキャラクターもかなり好きなので、毎週楽しみにはしているのですが
まだ、どういう話なのかの全貌がぜんぜん見えてこないので、不安もあります。
あからさまに伏線めいたものより先に、それを見せてほしかったな、と思いました。



以上、最近のぼくの脳内妄想ストーリーの感想でした。

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会うたび夢の話ばかりする人っていうのは、
その夢って言うのが昨夜みたやつでも抱いているホープ的なものでも
同じように面倒くさいし、似たような話を延々と繰り返しているように
しか聞こえないあたり、心身ともに不健康なのかしら?と感じますね。

別にダメじゃないんですけどね。世の中にはいろんな人がいるのだし。
ただ、ぼくは夢の話を人にするのは、なるべく避けるように気をつけて
います。

こんばんは。
というわけで、昨夜の夢の話をします。




うちの犬の予防接種に行ったんですよ。
注射してもらうところの前に、もう結構人が並んでいたので
ぼくも犬を抱っこして最後尾に並びました。
が、なにか様子がおかしいのです。

他にもぼく同様、抱っこしている飼い主さんはいらっしゃったのですが
その抱いているモノというのが、みんな一様に魚なのです。
鮭とかみたいな、両手で抱えないといけない結構でかいやつ。
それがビチビチ言ってるの。

でも、まあ、それは良いんです。
ぼくは、世の中にはいろんな人がいるって、知っているし。

問題なのは、その列がいつまでたっても前へ進んでいかないことでした。
普通予防接種なんて、大した時間かからないことがほとんどなのにと思い
ちょっと列を抜けて前の方を見に行ってみると、
最前列のところから、声が聞こえてきていました。


「だから、かつおじゃなくてコーギーだって言ってるでしょう!?」


コーギーを抱いたおばさんが、机越しにお医者さんを怒鳴っていました。

机の上に置かれたカルテみたいなやつには、でかでかと「鰹」の一文字。
怒鳴られて、お医者さんは困った顔をすると、言われるがままに
それを消しゴムでごしごしと消すのですが。
ちょっと間を開けて、首をかしげながらまた「鰹」って書きなおすのです。
それを見てまた怒り、同じように怒鳴るおばさん。

このやりとりをもう何度繰り返したのか分かりませんが、
とにかくこのせいで渋滞が起きているんだなあ、と分かり
安心してぼくは最後尾に並び直しました。

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