栗ごはんとか、その年の秋にはじめて食べたときにですよ。
「おおー、今年に入ってはじめて栗を食べたわー!!」ってなるじゃないですか。
でも、すぐそのあとに、
「あっ……違うわ……今年もう食べたてわ……お正月に……栗きんとん……」って気づいてすごくげんなりがっかりする現象が毎年起こるぼくです。
こんばんは。
似たようながっかりには、年末くらいに
「今年はじめての雪だ!」
↓
「あっ……違うわ……今年もう降ったわ……お正月に……豪雪で車出せなかったわ……」みたいなのもありますね。
「○○だ!」とおもったけど、よく考えたら○○じゃなかった、という、
持ちあげて落とされるシステムはがっかり度が大きいようです。
ウォーリーだと思ったけどよく見たらズボンがちょっと違ったみたいな。
病院の待合室で、芸能人の名前が呼ばれたから見てみたけど、
同姓同名のぜんぜんちがう人だった、とかもよくあるパターンですね。
かくいうぼくも、ある有名人と同姓同名なので、よくみんなをがっかりさせてしまうの
ですが。
「ルイ14世様、診察室のなかに入ってお待ちください」なんてアナウンスがされるたびに、みんながワクワクした顔でぼくの方を見て、
なんだよ違うじゃんか15世のほうじゃん、みたいながっかり顔に一瞬で変わるのです。
ぼくは名前を呼ばれるたびにその皆のがっかりを見てきたわけですよ。
なんだよそれ。なんかぼくが騙したみたいな雰囲気になってるけど、
みんなが勝手に期待しただけじゃないか。これはおかしいですよ。
こうして良く考えみたら、他のよくある事例についても同じことが言えます。
「持ち上げて落とされる」と表現していましたが、
べつに相手のほうから騙してきたり、持ち上げてきてるわけではないですよね。
栗しかり、雪しかり、ぼくしかり。ウォーリーは騙しにかかってるから例外。
勝手に勘違いして喜んで、勘違いに気づいて落ち込んでるだけなのだから、
どちらかというと“変なところで飛びあがって着地に失敗してる”だけです。
なんだよそれ。スペランカーかよ。
変なところで飛びあがったら着地に失敗してしまうのだから、
ぬかよろこびによる転落事故を防止するための方法はただひとつ。
スペランカーと同じく、危険な場所での無駄なジャンプは避ければいいのです。
つまり、不用意に期待をしないことですね。
はじめから、期待を持たなければ、希望を抱かなければ、それを失って
落ち込んでしまうこともありません。
斜に構えて斜に構えて、常に無気力で何事にも無関心でいきましょう。
「栗ごはんなんてただ栗が入っているだけではないか。いちいち気にかけるほどの
ものじゃない。せっかく作ったけど、普通のごはんであるかのように食べよう。」みたいな感じで。
「探さずとも、ウォーリーはこのページのどこかに必ずいる。それが分かっているだけで
俺は十分なんだ。」
「先生、この摩擦のない滑車がどうすべるかなんて、将来大人になって
なんの役に立つんですか。無駄と分かるのが嫌だから俺は勉強しない。」
「文化祭は単位にならないから行かないし準備も手伝わない。」
「友達なんて作ったってどうせ卒業したら別れるんだからいなくてもいい
俺はひとりでもいい」
「どうせ大人はわかってくれない、大人は汚い」
「社会が悪い」
「社会の歯車にはなりたくない。俺はバンドで食べていくんだ」
「去れ、俺に封印された魔王竜が目覚める前にな」
………………
無気力無期待キャラも、行きすぎるといつのまにか何やら別の良からぬモノを
抱いてしまいがちなので、注意が必要ですね。
Bマイナーのコードに指が届かなくて弾けなかったときとか、
自分には前世で戦った暗黒の魔王竜が宿ってないと気付いたときとか
朕は国家なりと思ってたら朕は国家じゃないと気付いたときとかには
がっかりどころか、悔やんでも悔やみきれない暗黒の前世もとい思い出に
苛まれる羽目になるでしょうから。
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