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矛盾ミカンをひとたび食べたものは、
三日三晩、正常な判断ができなくなり、
酔狂な、わけのわからない理不尽な言動をはじめる。

それだけであればただの毒ミカンであるとして、
食べないように触れをだせば良いだけの話だったのだが。

矛盾ミカンを食べたものが、時間を経て、徐々に正常な理性を取り戻しはじめるにつれ
そのものの周辺で、ホコともタテともつかない珍妙不可思議な現象が
つぎつぎと起こり始めるのである。
それこそが、矛盾ミカンの本来の作用であるという。
実際に報告されているのは

内部で毒ガスの噴出する箱をつくったら、完成と共に中から大量のネコが噴きだした。
おなかはいっぱいのはずなのにデザートも食べた。
爪を隠していないにもかかわらず能のある鷹が大量に目撃された。
爆発で黒コゲになった人が、次の瞬間には無傷になっていて、爆発を起こした人を怒っていた。

など。
また、ある僻地の、矛盾ミカンの群生する小さな村において、
知らずに食べた村人達およそ三十九名による「集団矛盾」の例も報告されている。
一昨年の元旦に、一日中つぎつぎと日が昇り、八千にも及ぶ太陽が空を埋め尽くした
通称「無限初日の出事件」は皆様の記憶にも新しいことと思われるが、
それによれば、この事件もその矛盾ミカンを食べた村人たちによるものだというのだ。

いずれも命に関わる事象でこそないものの、健康で健全でステキ快適な日々を送りたい
読者の皆様にとって、決して快い食べ物でないことがお分かりいただけるであろう。



もしも矛盾ミカンを食べてしまったら、その後始末にも充分注意する必要がある。
たとえばむいた皮をほうっておくと、
「食べたはずなのにまだ実がある」という矛盾が発生しかねない。



「皮やタネ、あるいは身そのものを捨てる/処分する」
「気候/風土的に育ち得ない場所におく」
などは特にやってはいけないことである。

矛盾ミカンは矛盾を糧に育つ植物。
そういった状況に置いてしまったタネは、「根付くはずがない」「それなのに育つ」
という矛盾を得て、一晩もすれば立派な木になってしまっていることだろう。

対処法はひとつだけ。「大事にしてやればよい」のである。
そそげる限りの愛をそそいで、互いに永遠を誓いあえる頃には、
きっと裏切ってどこかへ消えてしまうはずだ。



―暗黒異次元タイムスVol65535
 『爆裂炸裂サッドネス!かえしてわたしの健康なまいにち』の頁より引用

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