いつものように、バイトにでかけて、
何もかわらない日常だったのですけれど
なんか変な音が鳴り響いているのでふと見ると、
ガラスのコップがテーブルにめり込んでて、音はそこから鳴っていました。
なんていうか、ポリゴンのゲームのバグみたいな感じで。
しばらくするとコップは消えてしまい音も止んだのですが、
変な現象はその後もたびたび起こりまして、
傘をさして道を歩いていた人が突然、静止した状態で水平移動をしはじめて、
傘だけを元の場所に残したまま、川の上を通ってどこか消えてしまったりだとか
会話の途中でフリーズしちゃって、その瞬間発してた声をずーっと出し続けたまま
しばらく硬直して、消えてしまう人がいたりだとか。
それはやはり、まるでゲームのバグに似ていて、
なにかがフリーズするときは、処理落ちが発生しているかのように、
時間が遅くなったりすることにも気がつきました。
そうこうしているうちにバイトは休憩時間になったので、
ぼくは外に飲み物を買いにいきました。
自販機のボタンを押して、飲み物が出てきた瞬間、
ゴトンという音を鳴らしっぱなしにして自販機がまたフリーズしたりしましたが、
最初のうちこそいちいちびっくりしていたものの、ぼくもだんだん慣れてきて、
しまいには気にもとめなくなっていました。
帰り道に、女の子が道で遊んでいました。見てると、やっぱり、
その子もしゃべってる途中でフリーズしちゃって、
声を発したまま静止した状態で、顔のパーツだけをそこにのこして
スライドして民家の壁に消えていきました。
ぼくはもう慣れっこだったのでそのままその場所を通り過ぎたのですが、
ふいに、あのバグ発生時特有の、処理落ちに似た現象がまた起こりまして、
さっき消えたはずの女の子の声が、後ろから聞こえるのです。
何事かと思って振り返りますと、残っていた女の子の顔のパーツが
声を発しているようでした。こういうのもあるんだなあ、ぐらいに
一瞬思ったのですが、よくみると様子がおかしくて。
顔は、こちらを向いて、ゆっくり近づいてきていました。
今まで見てきたフリーズした人とは違って、
「あーーーー」という声も、自分の意思で発しているようでした。
背筋に冷たいものを感じて逃げようとするけれど、時間が遅くてうまく
動けないぼくに、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、顔は近づいてきて……
そこで目がさめました。最近怖い夢が多いんですがこれは反則だと思います。
うまく文章にならなかったのでビミョウですが。
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