読書感想文ってあるじゃないですか。
でもこれ、読書感想文という字面をよく見ると、
「読んだ本の」じゃなくて、「読書」の感想の文なのですよね。
だとしたら、自分がその本を読んだ時のことを書けばいいだけで
必ずしも、読んだ本の内容について書かなくてもいいのではないでしょうか?
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私がこの本を手に取り、まずはじめに抱いた率直な感想は
「表紙がださい!!」
というものであった。ラーメン鉢の中でうずくまる裸の男性と、
その回りを囲むトーテムポール、というイラストは、本当にこれで
書店で手に取ってもらえると思ったのか?と疑問を感じずにはいられない。
裏表紙も見てみたが、こちらは開いた牛乳パックを持って微笑む主婦の写真で、
意味がまったく分からなかった。
また、ハードカバーだったことも、読む意欲を失せさせる要因であった。
寝転がって読むときに、表紙が硬いとページをめくりにくいためである。
材質もなんかヌルヌルする紙で、読む人のことを考えていない本だな、と
思わずにはいられなかった。
しかし、渋々ながらもページを開き、もくじを読み終えた頃には、
そんなことは全く気にならなくなっていたのである。
そう、セミが鳴きはじめたので、うるさくて気を取られたのだ。
夏休みに入ってからというもの、私の家の周囲では連日セミが鳴いており
寝坊した日などは、その騒音で目覚めることも多い。寝ざめは最悪である。
この本を読みはじめたのは八月の二十九日であり、夏も終わりの頃だったため
もはやセミの声など慣れたものだと思っていたのだが、それでも、その日は
あまりにもうるさく、耳が痛かった。何事かと思って窓の方を見ると、
驚くべきことに、鳴き声の主たるセミは、私の家の窓の網戸にとまって
鳴いていたのである。私は驚き、思わず携帯を手に取り、その様をシャッターに収めた。
以下に同封した写真は、その時のものである。窓についているのがセミで、
牛乳パックを持って微笑んでいるのが私である。この出来事は、この夏で一番の
思い出であり、また、この夏で撮影した唯一の私の写真であることから、
先生方におかれましては、ぜひとも一度ご覧いただきたく……
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みたいな。
「読書感想文」という名前における「読書」というのが、
「読了した書物」の略だったりとかするんだったらもう知らない。
[2回]
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