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夏の風物詩をすべて滅ぼす組織。明日は強襲作戦を決行する日。

リーダーは寡黙な老戦士。
ぼくたちが加入するよりもだいぶ前から、この組織で戦ってきたそうだ。
彼の着ているユニフォームは、ぼくたちのそれと同じもののはずなのだが
所々の焦げや、赤い染みの痛々しい傷、無数の繕い跡が彼の潜り抜けてきた激しい戦いを
物語る。
最早何も語らず、隅のテーブルで1人、折れ曲がった鉄パイプを磨いている。
彼はそのパイプで明日また、いったい幾つのスイカを打ち砕くのだろうか。

カウンター席でべらべらと喋りまくっているのは、海水浴場破壊チームの隊長に
抜擢された、まだ若い男。もうかなり酒がまわっているようで、
カゴいっぱいのマッチを両手にガタガタと震えている花火工場爆破チームの連中に、
自分が隊長に成り上がった経緯を嬉々として語っている。

「ポイズンシロップの仕込み終わりましたー!」
そう叫びながら、はさみを磨ぐのに余念が無いアサガオ刈り取りチームを
押しのけて入ってきたのは、カブトムシ・クワガタ全滅チームの隊長。
外では、彼らが使う大量の毒蜜を載せた4トントラックと、
夏祭り跳梁チームが使うブルドーザーがドドドと地面を揺らしている。

「……これで全員、揃ったな」

リーダーの低い声に、
風鈴叩き割りチームを率いるぼくは両手にカナヅチを握りなおし、顔を上げた。



というところまで考えて飽きた。
なんですかこれ?とあながたたずね終えるより早く、
ぼくにもわかりません!と、ぼくや組織のメンバーは叫びます。

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