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お好み焼きを焼いていたら正円のができたので、
ソースとマヨネーズを駆使して精巧な魔方陣を描いた上に、
不思議な呪文と共に、鰹節と青海苔を振りまきました。
契約の言葉を長々とぼそぼそつぶやいた後、最後に
「いただきます」と言ったらば。
煙が立ち上り鰹節はゆらめき、悪魔が召喚されたのです。

「汝か……。我を喚んだのは」
「我は堕天使レライエ……今後とも……~」

悪魔は魔方陣の上でそんなことを言っていましたが、
正直なところ、悪魔が見られただけでもう満足していたので、
ぐだぐだ言ってるのは無視してお好み焼きを食べようと、皿にとろうとしました。
そしたら

「ま……待てっ、それを食べるのはよせ、
 そんなことをしたら我が還れなくなるだろう!!」

とかなんとか言うのです。
このままでは、お好み焼きが焦げてしまうから、とか説得を試みましたが
悪魔は聞く耳を持ちません。
このままこの悪魔にジャマをされ続けていたら、
折角のお好み焼きは食べられなくなってしまい、そうなると、
あの恐ろしいもったいないお化けが来てしまいます。
最初こそ、話し合いで解決しようと頑張っていたのですけれど
お腹も空いて、だんだんイライラしてきましたので、
悪魔が余所見をしている隙に鉄板からお好み焼きを奪い取り、
オレサマ オマエ マルカジリ!とばかりに一口に食べてやりました。



それが、ぼくが先日から弓を携えた悪魔と同居することになったコトの顛末です。
………どうしよう、この人。

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